「コーディネーション能力」は「調整力」という意味で、イメージと全身の動きを連動させて、巧みにからだを操る力を言います。
例えば、「ボールを蹴る」という行為は、目でボールの位置をとらえ、軸足を踏み込んで、正確に蹴り足を振り抜く、といった細かい動作のつながりで成り立っています。空振りする、途中で転ぶなど、失敗するのは、イメージどおりに個々の動作を連動できていないことが原因です。
コーディネーション能力が高い人は、はじめての動作でも、格好良くこなしてしまいます。いわゆる「運動神経」が良い人です。
コーディネーション運動は、運動神経を高めるためのトレーニングです。7つのカテゴリ(次ページ)に分かれており、当教室では1カ月ごとにテーマを決め、レッスンの後半を使い、集中的に取り組んでいます。
コーディネーション能力は、神経の発達する幼児期から少年期に、もっとも成長すると言われています。将来、競技スポーツに進む際に役立ちますし、それ以前に、純粋に運動を楽しんで充実した時間を過ごす上で、とても大切な力だと、私たちは考えています。
1.バランス能力
からだの重心をコントロールできなければ、二足歩行もできません。すべての運動の基礎となる能力。難しい体勢でボールを避けたり、押されてバランスを崩して耐えるのもバランス能力です。
運動)バランスボールテニス/足裏ボールケンケン
2.リズム能力
音楽や人の動きを、目や耳からインプットして、タイミングよくからだを動かす能力です。動きを真似るときに必要な能力で、ダンスや体操、またボールを打ったり、蹴ったりする運動に役立ちます。
運動)ラインジャンプ/リングジャンプ
3.反応能力
外部からの刺激を視覚、聴覚、触覚で感知し、対応する能力です。かけっこで上手にスタートを切ったり、野球のバッターがボール球を見逃すのも、反応能力です。
運動)ボールアクション/椅子取りゲーム
4.定位能力
ものと自分の位置関係を把握する力。距離感をつかんでキャッチボールしたり、ボールの落下点を予測するのに役立ちます。サッカーやバスケットで味方や相手の位置を測る際にも。
運動)大縄跳び/フライキャッチ/玉入れ鬼ごっこ
5.変換能力
的確に状況を判断して動く力です。サッカーやバスケットでフェントをかけたり、反対に対応するのもこの能力。
運動)手つなぎ鬼/川渡り
6.識別能力
ボールや用具など、自分のからだ以外のものを、
使いこなす力です。ボールを投げたり、バットを振ったり、サッカーやバスケットでドリブルするときに役立ちます。
運動)ドリブル/スパイク練習/足裏ボールケンケン
7.連結能力
2〜3つの動きをつなげて、ムダなく動く力。例えば、跳び箱運動は、助走して踏切り、手をついて飛び越える、といった複数の動作の連動からなっています。ほとんどのスポーツや遊びで使っている能力です。
運動)障害物競走/クライミング/サーキット